七変化ワイパー Part1

前回はワイパーの歴史や概要を調べたので、
今回はワイパーの様々な姿を調べてみます。

ワイパーなんてどれも同じじゃろ。って思うかも
しれませんが、意外と色々あるんですよ。
これが。

ワイパー各部名称

ちなみにワイパーの各部の名称は

ワイパーブレードの形状

それでは、ワイパーブレードの形状について
調べてみましょう。

トーナメントワイパー

フレームから複数の金属パーツが枝分かれして
おり、トーナメント表のように見えるためそう呼ばれている。

複数の点でワイパーゴムを支えるため、ゴム全体に
均一な力がかかるようになっている。それに加え
可動式であるため、曲面の拭き取り能力が高い。

ただし、高速走行時は風圧により拭き取り能力が
低下する。まあ、複雑な形状をしているから、
風の抵抗を受けてブレやすいんでしょう。

フラットワイパー

1本の芯材(硬質なゴムのようなもの)でワイパー
ゴムを固定しており、これがしなるため、ガラスの
曲面にぴったりフィットする。
そのため、ガラスへの圧力が均一になり、
安定して高い拭き取り能力を発揮する。

糊を塗った紙を指先で抑えるか、手のひらで
抑えるかってイメージですかね。

また、フラットな形状により風圧を逃がすことが
できるため高速走行時にも安定している。

中にはエアロ形状のものもあり、高速走行時に
ワイパーがガラスに押し付けられるため、
より安定させることができる。

ソフト99 さんより

デザインワイパー

形状はこの2つがメインなんだけど、他には、
トーナメント型とフラット型の良いとこ取りを
したデザインワイパーなるものもあります。

ソフト99 さんより

ここまでくると、性能というよりは見た目の
好みの問題な気もしますが。
僕はガラコさんのデザインワイパー使ってます。
エアロ形状がかっこいいのでね。

ワイパーブレード形状まとめ

BOSCHさん曰く、トーナメント型は支点の圧力が
高くなり、ガラスにかかる圧力にバラツキが生じる。

フラット型はガラスへの圧力がより均一になるため
拭き取りが安定する、とのこと。

BOSCHさんのデータによると、2020年時点でも
輸入車(新車)のフラット型採用率は80%。
国産車は15%みたい。現在はもっと増えてるでしょうね。

より高性能で、構造も単純なフラット型の唯一の
デメリットは価格が高いこと。
ただ、なんでもそうですが、今後流通量が増えれば
価格も抑えられでしょうね。

以前はトーナメント型が主流だったけど、
日本でも今後はフラットワイパーが主流になって
いくのでしょう。
まあ、もうなってるのかな。

ワイパーの方式について

今度は、ワイパーの方式というか本数による違いを
調べていきます。

1本方式

まずは、1本方式。

昔はこれが主流だったみたいですが、最近はほぼ見ないですね。

代表的な採用車種でいうと、ヴィッツ、i(アイ)、
トゥデイ、プレリュードとか。
…現行ではいなさそうですね。

あとは、レーシングカーが基本これなんじゃない
かな? 多分、空力と軽量化目的でしょうが。

そういえば全然関係ないですけど、
新型プレリュードどうなるんでしょうね。
気になる。

1本ワイパーの特徴は、

  • 構造が簡単なので、単純に低コスト
  • 1本で拭くので時間がかかる→視界不良
  • 動作を速くすると水を歩行者等にかけてしまう
  • 動作を速くすると、機械の負担増→高コスト
  • その1本がダメになると詰み

って感じ。そりゃ、採用されないわけだ。

2本方式

お次は2本方式。

現在ではほとんどの車種がこれを採用していますね。
が、2本方式もその中でいくつかに分かれます。

パラレル式

ワイパーと言えばこれ!パラレル式。

特徴としては、

  • 構造が簡単。1本方式には劣るが低コスト
  • 1本方式に比べて動作を遅くできるので、
    機械の負担が少ない
  • 歩行者等に水がかかりにくい
  • 助手席側の払拭面積が運転席側よりも小さい

という感じ。まあバランス型ですね。

ちなみに、考えてみれば当然なんですが、
国産車(というか右ハンドルの車かな)と
輸入車(左ハンドル)では拭く方向が違うんですよ。

対向式

レアキャラくんの対向式(けんか式)。

これも1本式と同じく、最近ではほぼ採用されていません。
バスなんかはこれになってるのを見かけますが。

採用車種は、クラリティ、ジェイド、
シビック タイプR(FD2、FN2)、
初代エスティマ、デリカスペースギアなどなど。

1本方式よりは多そうですね。

特徴は、

  • 払拭面積が大きい→視界が良い
  • 構造が複雑→高コスト
  • ブレードが長い→高コスト
  • レアキャラ→パーツが少ない→高コスト

という感じ。

払拭面積が大きいのにあまり採用されていないのは
高コストだからでしょうね。
フロントガラスが大きいので対向式じゃないと困る
っていう車種にのみ採用されるタイプみたい。

個人的にはカッコよくて好きなんですけどね。

合掌式

なんだか名前が可愛い。合掌式。

対向式の亜種みたいなもんですが、
バスによく採用されているものですね。
なぜバスはこれなのか、ざっくり説明しましょう。

バスってフロントガラス面積が物凄く大きいでしょ?

そんだけ大きな面積をガラス1枚でってなると、
高度な技術を要するため、すごく高価になる。
(現代はともかく、特に昔はね。)

それなら、小さくて安価なガラスを2枚
組み合わせた方が低コストだよねと。
割れても片方交換すれば済むし。

つまり、2枚のガラスをくっつけているので、
真ん中に継ぎ目ができる。
であれば、ワイパーも真ん中までで止まるよね、
というわけ。

MINIのクラブマンもリアゲートが観音開きなので、
リアワイパーが合掌式みたいになってますね。
今日、たまたま街中で見て気づきました。

3本方式

最後が3本方式。

横幅が大きいトラック等がよく採用していますが、
普通車でもこれを採用している子がいます。

ご存じの方もいると思いますが、
FJクルーザーですね。

これ以外に普通車で3本方式を採用している車種は
いないんじゃないかな?

理由は恐らく、フロントガラスの横の長さに対し、
縦の長さが極端に短いからでしょうね。

縦の長さに合わせるとどうしてもブレードが
短くなるので、横方向がカバーできなくなる。

じゃあ3本に増やしちゃえという話。

なんだか思ったより長くなりそうなので、
今回はここまで。続きはまた次回で。

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