車のエアコンの仕組み

皆さんは夏の運転、エアコンは使ってますか?

使う派と使わない派、両方いらっしゃると思います。

街中で見た感じ、さすがに使う派の方が多いみたいですね。笑

僕の場合、以前は夏でもあまり使ってなかったんですが、最近は遠慮なく使ってます。

僕を含めて、使う派にも使わない派にも理由がありますよね。

そして、そこにはエアコンの仕組みが深ーく関わっているので、今回説明していこうかなと思います。

「エアコン」とは

ではそもそも、エアコンとは何なのか。

いつも通り、言葉の説明から。

【エアコン】
エア コンディショナー、エア コンディショニングの略
―広辞苑より―

【エア コンディショナー】Air Conditioner
室内空気の温度・湿度を調節する装置。空気調節器。
―広辞苑より―

まあ、これは皆さん知ってましたよね。

一言でエアコンと言っても、家庭用、自動車用、業務用と色々ありますが、今回は自動車用に的を絞って調べてみましょう。

エアコンの操作方法

車好きの皆さんは大丈夫でしょうが、初心者の方や知らないよーって方に操作方法を説明しておきましょう。

最近は物理ボタン式ではなく、タッチ式や画面操作の車種も増えてきてますが、基本は変わりませんので。

マニュアル式

A 吹き出し口を調節するものです。

①上半身(上部)の送風口 ②足元(下部)の送風口 ③両方の送風口 
④フロントデフロスター&足元の送風口 ⑤フロントデフロスター 

デフロスター(デフォッガー)ってのは曇り取りです。フロントガラスが曇っているときに使用します。
極端に湿度が高いときに、低い温度でデフロスターを使うと、逆に曇ることもありますのでご注意を。

B 風量を調節するものです。
数字が大きいほど風が強くなります。0は風が停止します。

C 温度を調節するものです。
青い方に行くほど冷たく、赤い方に行くほど温かくなります。

⑥空気の循環を調節するものです。
外気導入…外の空気を取り込みます。
内気循環…外の空気をシャットアウトし、車内の空気を循環します。

⑦リアデフロスター
リアガラスの曇り取りです。

⑧冷房機能や、除湿機能のオンオフを切り替えるものです。

冷房が効かないって車屋さんに持ってくる人のほとんどが、このA/Cボタンの押し忘れらしいですよ。

心当たりのある方は、まずA/Cボタンをチェックしましょう。
これをオンにしとかないと曇りも取れません。

A/CスイッチはAir Compressor、つまりコンプレッサーの起動装置のこと。

コンプレッサーは後で説明します。

フルオート式

フルオート式はONを押し、温度を選択し、AUTOボタンを押しておけば、車が勝手に最適な状態に調節してくれます。なんて便利なんだ。

まあ、マニュアル式の操作がわかってれば、フルオート式も大丈夫でしょう。

車種によっては、運転席側、助手席側で温度を変えることもできます。

ちなみに、内気循環は

  • トンネルや渋滞にいるときや、煙を吐く車がいて汚れた空気を入れたくないとき
  • 外の温度が高く、冷房効果を高めたいとき

に使用します。どんだけ冷やしても、外の暑ーい空気が入ってきちゃあねぇ。

外気導入は、室内で飲食したときとかですかね。
駐車時も外気導入にしておいた方がいいですよ。フルオート式は勝手にそうなるのかもしれませんが。

あとは、ナノイーとか、プラズマクラスター付きのものもありますね。

旧カローラについてたこれ、ずっとなんだろーって思ってて調べたら、花粉除去モードでした。
そんな機能があったのか。というか、フィルターで止められないのかよ。恐るべし花粉。

エアコンに利用されている化学

ではいよいよエアコンの仕組みを見ていく、のですが。

まずは、エアコンの仕組みを理解するために必要な化学のお勉強から。

といっても、単純に知識として知っててくれればいいです。

一定量の気体を圧縮(無理やり小さく)すると、温度が上がる

気体は圧縮すると、高温になります。

自転車の空気入れも使っていると熱くなりますよね。

一定量の気体を膨張させる(無理やり膨らませる)と、温度が下がる

気体は膨張させると、低温になります。

ガス式スプレーも使用すると、缶が冷たくなりますよね。

気体を圧縮すると液体になりやすい

気体は圧縮する、すなわち圧力をかけると液体に変化しやすくなります。

気体が液体になる温度(沸点)は物質によって決まっていますが、圧力をかけると、それが通常よりも低くなるというお話。

液体は蒸発するときに熱を奪う

液体は蒸発する(気体になる)ときに周囲の熱を奪います。

いわゆる気化熱。

コンクリートに水を撒くと涼しくなりますよね。

飽和水蒸気量

とある温度の空気が含むことのできる、最大の水蒸気量のこと。

温度が高いほど水蒸気を多く含むことができ、低いほど少なくなる。

冷房の仕組み

それでは冷房の仕組みです。

冷たい空気を作るためには、空気を冷やすための媒体、言い換えると空気の熱を奪う媒体が必要なのですが、

熱を奪う媒体のことを「冷媒」と言います。
いわゆるエアコンガスのことですね。
蒸発しやすく、液化しやすいものが選ばれる。

エアコンガスの流れを図に表すとこんな感じ。

順に見ていきましょう。

コンプレッサー

コンプレッサーとは、圧縮装置のこと。

コンプレッサーでは、エアコンガスを圧縮し、ガスを気体から液体に変える。

先に説明した気化熱を利用するためです。

ただし、圧縮するため高温になるし、完全には液体になりきらない場合もあるみたい。

冷媒の状態としては、高温・高圧です。

ちなみにコンプレッサーは、その動力をエンジンからもらってます。

だから、エアコンを使用すると、というかコンプレッサーを使用するとパワーが落ちる。

冷房とか除湿機能を使ってるとね。

コンデンサー

ラジエーターと同じ仕組みで、走行風により冷媒を冷却し、完全に液体にする。

冷媒の状態としては、低温・高圧です。
この時点で約60℃くらいらしい。…低温?

ちなみにラジエーターってのは、これ。
フィンを設けることにより接触面積を増やし、効率的に冷却する装置のこと。

レシーバー

コンデンサーから送られてきた冷媒を蓄えると同時に、内部の余分な水分や不純物を取り除く。

エキスパンションバルブ

液体の冷媒を霧状に噴射し、エバポレーターへと送る。霧吹きみたいなもんです。

霧状に噴射し、高圧から低圧へ一気に膨張させることで、温度を急激に下げる。

この時点で、冷媒は約10℃まで冷やされるらしい。

また、霧状にすることで気化しやすくしているそうな。

エバポレーター

エキスパンションバルブから送られてきた冷媒がエバポレーターの中で気化し、エバポレーターの温度を下げる。

そして、ブロアファンにより車内外から取り込んだ空気をエバポレーター内へと通過させる。

その空気の熱をエバポレーターで奪い、冷風として社内へと送風する。

ブロアファンってのは送風機のことです。

こういう感じ。

それから、エバポレーターはもう1つ、除湿という大事な役割がある。

空気の温度を下げるってことは、飽和水蒸気量も少なくなるから、抱えきれなくなった水蒸気が水となって出てくる。

つまり、空気が含む水分量を減らす、すなわち除湿ができるってこと。

エアコン使ってる車の下から水が垂れてくるのは、それだけ除湿されて大量の水が生まれているから。

冷房まとめ

冷房は、冷媒を使った気化熱を利用して空気の温度を下げているわけ。

そしてその仕組み上、空気の除湿もできる。というかしてしまう。

それから、その冷房のシステムはエンジンの力を使って動かしている。

だから冷房を使うと、燃費が悪くなったり、車内の空気が乾燥してしまうんです。

燃費を気にする人や、空気の乾燥が苦手な人、コンタクトレンズ使ってる人や、風邪気味の人とかはエアコンをあまり使いたくないわけです。

暖房の仕組み

暖房は、ガソリン車やディーゼル車はエンジンの排熱を利用してます。

走行中のエンジンは、物凄く発熱するので、冷却液(クーラント)を使って冷やしながら走っています。

そして、そのエンジンの熱を吸収した冷却液により、ヒーターコアという部品を温め、そこに風を通すことで温風を作り出している。

だから、走り出してすぐはエンジンが温まってないので暖房も効かないわけ。

上の図ではエバポレーターを通ってますが、A/Cをオフにしておけば実際には空気は冷やされません。

ただ、A/Cをオンにしておかないと除湿はできない。

ちなみにこのシステムは、暖房の時にしか使わなそうに聞こえるけど、実は冷房の時も使用している。

2種類あってですね。

エアミックス方式

ヒーターコアに風をどれだけ導くかを調節する、エアミックスドアなるものが付いてる。

まあ弁ですよ。

温かい空気と冷たい空気の混合比を調節することで細かい温度調節をしている。

リヒート方式

こちらもウォーターバルブという弁が付いていて、ヒーターコアに流れる冷却液の量を調節することで、ヒーターコアの温度を調節するようになっています。

冷たい空気をどれだけ温めるかで細かい温度調節をしている。

ハイブリット・PHEV・EVの暖房

ところで、エンジンをあまり使わないハイブリットやPHEV、EVはどうしてるのかって話ですよね。

EV車は、電熱線を熱して、それを熱源に使う方式だったみたいですが、どうしても電費が悪くなるのが悩みだったそうな。

ハイブリッド車もPHEVも、ガソリン車と同じ方式を採用しているけど、燃費がね。

ってことで最近のものは、ヒートポンプ式を採用しているみたい。

ヒートポンプ式っていいうのは、日産によると

こんな感じらしい。

熱が冷たいものから温かいものへ移動する特性と、冷媒を圧縮すると、より高温になる特性を利用している。

まとめ

車の冷暖房の仕組みをざっくり説明するとこんな感じです。

僕が以前、エアコンをあまり使わなかったのは、パワーが落ちるから。
そしてそのせいで、燃費が悪くなるからだったんですよね。

NAの軽自動車に乗ってたからってのもあるけどね。

もー、8月に友達と2人で阿蘇に行ったときは地獄でした。
エアコンつけると登らんわ。エアコン消すと暑いわで。笑

今は1.5ターボに乗ってるし、燃費も極端には変わらないってわかったし。
汗かきたくないし。汗をかくのはバイクに乗ってる時だけで十分です。笑

夏のバイク、皆さん熱中症でぶっ倒れないようにしてくださいね。

車に乗る人も、エアコンガスの補充とか、補充しても効かないなら修理してもらうとかしてくださいよ。
最近の夏は危険な暑さなので。

ちなみにこの時期のオープンカーってどうなんですか?
一回体験してみたい。

エアコン小ネタ

ちなみに、カーエアコンを製造しているカルソニックカンセイさんによれば、日本車は25℃、欧州車(アメ車も含む)は22℃に設定すると燃費の悪化が少ないそうですよ。

夏の車内を効率的に冷やすためには

① 助手席(後席左)の窓を開けた状態で運転席のドアを数回開閉する。
(車内の熱気を排出する)

②すべての窓を全開、外気導入、冷房全開で走行開始。

③数分走行したら、窓を全て閉め内気循環に切り替える。(AUTOスイッチでも可)

というのが良いらしいです。

お試しあれ。

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