色って何? Part3 ~表面色~

前回のPart2では、波長と光源色について解説しました。

さて今回は、私たちが普段目にする色のほとんど
である物体色、さらにその内9割以上を占めるで
あろう、表面色について調べていきます。

とある実験もしてみますよ。

表面色とは

表面色の概要

では改めて、表面色とは何か。

表面色とは、とある物体に光が当たり、
その物体の表面で反射した光によって
表現される色のことです。

僕たちが普段目にしている色のほとんどがこれ。
っていうのは、僕の色話に付き合ってくれている
方々なら、頷いてくれると思います。

特に昼間なんて、
外に出ると光源は太陽1つだけでしょ?
言い換えると、光源色は太陽光の白オンリー。

その光源1つで、身の回りのものすべてが
表面色で色づいているんですから。

そう考えると、太陽って偉大。

表面色の仕組み

気を取り直して、
Part1で登場したハテナブロックを覚えていますか?

白い光である太陽光を当てているにもかかわらず、
白ではなく黄色に見えるあの箱です。

この黄色がまさに表面色なんですが、なぜ黄色になるのか。

Part2で説明したように、太陽光は黄色を含む
様々な波長で構成された光になります。

そしてハテナブロックは、
そのうちの黄色の波長のみを反射し、
それ以外の波長を吸収するから黄色く見えるんでしたね。

あと、黄色は赤と緑を混ぜることでも表現できるため、
赤と緑の波長も反射している…はず。

つまり表面色とは、その物体がどの波長を反射し、
どの波長を吸収するかで決まる。

…と言いたいところなんですが、
Part2で言及したように、
そもそもその波長をもった光が当たらないと、
当然うまく発色できない。

ゴホン。言い直しましょう。

表面色のまとめ

表面色とは、その物体がどの波長を反射し、
どの波長を吸収し、どんな光が当たるかによって決まる。

要するに、表面色っていうのは、
同じ物体でも当たる光によって色合いが変わる
難しい色、環境の影響を受けやすい色ってこと。

そんだけ繊細なやつなんですよ。こいつはァ。

だからこそ、世界というか景色っていうのは
時間帯や天候によって、色んな表情を見せてくれるんですけどね。

そしてこれは、車・バイクのボディカラーにも
同じことが言えるわけなんですよ。
どれもこれも表面色なんで。

表面色の裏方 色素

ちなみに、特定の波長を吸収し反射する物質を
「色素」と言います。

表面色は、物体がこの色素を含んでいることや、
塗られていることで発色している。
表面色があるのはこやつのおかげ。

中には、吸収・反射だけじゃなくて
放出する子もいるみたいですが、これについてはその内触れます。

表面色の実験タイム

さて。
表面色について理屈では理解できたと思いますので、
またまた雑ではありますが、実験してみましょう。

実験道具

今回使用するのは、こちらの
毎度おなじみ黄色役、ハテナブロック(以下「?箱」)
パソコンの横に居た赤役、一味
棚に鎮座していた緑役、オイルフィルター(以下「フィルター」)

光源は、愛車からぶち抜いてきたUSB式のイルミネーションを使用します。
何色かに切り替え可能で、単色で固定もできれば、
各色にグラデーションさせることもできる優れものです。

赤色の光

まずは、赤色の光から。赤の波長しかない単色光です。

   ?箱・・・赤
   一味・・・赤
フィルター・・・黒?

?箱が赤を反射するのは事実だったみたいですね。
一味はもちろんしっかり赤。フィルターは緑しか
反射できないため黒っぽくなっていますね。かわいそう。

緑色の光

緑色の光。これも緑の波長しかない単色光です。

   ?箱・・・緑
   一味・・・黒
フィルター・・・緑

?箱は、やはり緑も反射できていますね。
一味は為すすべなし。真っ黒。
フィルターは本領発揮でしっかり緑。

青色の光

次は、青い光。青の波長しかない単色光です。

   ?箱・・・黒っぽい青?
   一味・・・黒
フィルター・・・黒っぽい青?

当然、みなさん自分の色を発揮することができていません。
チーン。
それにしても、?箱とフィルターのお2人は
全く青を反射しないわけじゃないんですね。

黄色の光

ここからは、光源に2つの波長が入ってきます。
まずは黄色の光。赤と緑で構成されている光でござる。

   ?箱・・・黄色
   一味・・・赤
フィルター・・・緑

おおーー!!みなさん持ち味を発揮できていますねぇ。
?箱は赤と緑を反射して黄色に。
一味は赤のみ反射して赤に。
フィルターは緑のみ反射して緑に。
平和な世界。

水色の光

まだまだいきます。次は水色の光。
青と緑で構成された光です。

   ?箱・・・青みがかった緑?
   一味・・・黒
フィルター・・・緑っぽい水色?

一味が黒いのは当然として。
あとのお2人は緑になるだろうと思っていたんですが…。


おそらく、緑を反射した上で、
それぞれ青も多少反射しているのでしょう。
青の光で青くはなってたし。
?箱は青反射少な目で、フィルターは青反射多めっぽい。
?箱は緑寄りで、フィルターは水色寄りなので。
おもしろいね。

紫色の光

最後は紫の光です。赤と青で構成されてる。

   ?箱・・・ピンクっぽい紫
   一味・・・赤
フィルター・・・青っぽい黒?

これも、一味とフィルターは予想通りでしたが、
?箱が邪悪な色になってますね…。

水色の光と同じで、赤をしっかり反射しつつ、
青も多少反射しているんでしょうね。
だから紫まではいかないけど、ピンクになっちゃったのね。

実験のまとめ

という感じで実験してしてみましたが、
個人的には結構面白かったですね。

当てる光の色次第で、ここまで物の色が変わるとは。
なんとなくわかっていたことではあるんですけどね。

ま、繰り返しにはなりますが、
そんだけ光源色は表面色に影響を与えるし、
表面色は環境の影響を受けやすいってこと。

これで少しは納得してもらえたのではないかと。

表面色の小話~愛車と写真~

車・バイクのボディカラーも
それだけ環境の影響を受ける、
すなわち色の見え方が変わるってことですね。

といっても、人間の脳はある程度一定に
見えるように補正してくれるみたいですが。

問題はカメラで撮影するとき。写真に収めるときなんです。

皆さんも愛車の写真を良く撮影するのではないかと。
でも、なんか思ったのと違う…みたいな経験あると思います。
もちろん僕もです。

カメラ(というか写真)っていうのは、
レンズを通ってきた光をそのまま記録するから、
環境による色の違いが顕著に表れる。

まあデジタルカメラだったら、撮影後に
RAW現像やらでホワイトバランス含めた色んな
パラメーターを弄れるようになっているので、
修正が効くんだけどね。

それでも当然、修正にも限界はあるので、
撮影時の光環境(ライティングっていうのかな)
まで考えると、良い写真が撮りやすいと思います。

実際には、実験みたいに色のついた光源下で
眺めたり、撮影したりすることはなくて
ほとんどが白い光が当たった状態でしょう。

ただ、Part2で言ったように白い光にも色々あるので、
写り方は微妙には変わってきますからね。

色についてのぼやき

どんな光が当たるかで色が変わるって
さんざん力説してきましたが、同じ光を当てても
見る角度や周囲の色環境、見る人の感性によっても
見え方は変わってくるんですよねぇ…。

いやぁ、本当に色ってのは奥が深すぎる。

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